空いてるベッドに腰を掛けると


静かな寝息が聞こえてきた。



「誰かいんの…?」



立ち上がり、仕切られているカーテンを少し開けた。


「………杏?」



隣で眠っていたのは、杏樹だった。




そーっとベッドに近づく。



「…んっ………」



小さく身じろぎをした。



起きたかと焦るが

スヤスヤ眠る杏樹はいっこうに起きる気配はない。





杏樹の側に立つ。



「……痩せたんじゃねぇか?」




あの日から数えて大体2週間近く会っていなかった。



頬が少しこけたように感じる。




眠っていて良くわからないが、目の下にはクマらしきものがあった。




「また……なんかやってんのか…?」



答えが返るわけもなく

ただスヤスヤ眠る寝息が聞こえるだけ…………