地味子の秘密 其の壱 VS黒羽の大妖怪

病院までの道のりを歩く。


涼しい風が頬を撫でていった。





ケーキの箱を見ながらフフフと笑う。




「早く帰ろっと♪」



歩くスピードを上げようとしたら…



「神崎っ!」



あたしを呼ぶ声がした。



「えっ…?宮下先生っ!?」



振り向くと

1−D組の担任
学園のもう一人のアイドル(?)


宮下 海人先生がいた。



「神崎も松沢のところに行くのか?」


「はい。」


近寄って来た先生に頷く。


「なら一緒に行こうか。」

笑顔で言われて、断る理由もないので“はい”と返事した。








「柚莉―?約束のシュークリーム買って来たよ―?」


先生を案内しながら病室に入る。