地味子の秘密 其の壱 VS黒羽の大妖怪

ニッコリ微笑みながらあたしの手を握る。



「っ―…ふぇっ…う゛ー…」

ポロポロと涙が頬を伝う。


「ほらっ泣かないのっ!」

笑いながらあたしの涙を拭う。



「だっでぇ―…」



泣いたまま柚莉に抱き着いた。



「もう…杏樹ったら…」


クスクスと笑いながら、背中をさする。




「ゆ゛り゛ぃ――…」



あたしは暫く泣き続けた。











「シュークリーム5個下さい。」



「はい、1000円になります。」




お金を払い、お店を出る。





約束のシュークリーム5個を買いに来た。



柚莉が『早く買って来ないとコオロギ持って来るよっ!』


って脅すから仕方なく(笑)




まぁ…良いんだけどね?


シュークリームで機嫌良くなるならいくらでも買う。


柚莉には助けられっぱなしだから感謝しきれないし。