地味子の秘密 其の壱 VS黒羽の大妖怪



「ごめんなさい…ごめんね…ごめんね…柚莉っ!!」



握った手を顔につけ、目をつむる。







泣きたいのは…あたしじゃない


柚莉だよっ!


あたしが守れなくて悪いのにっ



流れる涙を止めようとするけど…止まらない…



「うぅ゛―…」


体が小刻みに震える。

抑えようとすればするほど止まらない。







フワッ……と

甘い香りがしたと思ったら…




陸に抱きしめられた。




「…っ!?」



体の震えを止めるように、強く抱きしめられる。




背中に回った手が優しくあたしを撫でる。



頭、首、背中、腰…




上から下に手が下りていく。



腰まで来たところでまた引き寄せられた。



あたしは陸の胸に顔を埋める。





なんで…?

こんなに優しいの?


ずっと電話もメールも無視して

呼び出しにも行かなかったのに…