「ごめんなさい…ごめんね…ごめんね…柚莉っ!!」
握った手を顔につけ、目をつむる。
泣きたいのは…あたしじゃない
柚莉だよっ!
あたしが守れなくて悪いのにっ
流れる涙を止めようとするけど…止まらない…
「うぅ゛―…」
体が小刻みに震える。
抑えようとすればするほど止まらない。
フワッ……と
甘い香りがしたと思ったら…
陸に抱きしめられた。
「…っ!?」
体の震えを止めるように、強く抱きしめられる。
背中に回った手が優しくあたしを撫でる。
頭、首、背中、腰…
上から下に手が下りていく。
腰まで来たところでまた引き寄せられた。
あたしは陸の胸に顔を埋める。
なんで…?
こんなに優しいの?
ずっと電話もメールも無視して
呼び出しにも行かなかったのに…

