柚莉達を怪我させるなんて……



怪我が一番酷かった柚莉は、大きな救命センターに運ばれた。





ある程度は、あたしが治してたから命に別状はなかった…




でも何もしてなかったら…出血多量で命を落としてた。




痛がる柚莉の顔が、あたしの目に焼きついて離れない。




「あたしが代わってあげたかった…」





柚莉が倒れていた場所に目を向ける。



紅いものが乾いてこびりついていた。




「あれ…?なんで柚莉が酷かったの?」




柚莉の席は、廊下側から三列目の前から二番目。



教室のほぼ真ん中だ。



ガラスの破片ってそこまで来るかな…?



怪我も、窓側の子の方が軽かった。




まるで…柚莉に破片が向かったみたい。