やっと離れたと思うと、
俺の手を掴む。





なにすんだ?





黙って見ていると自分の胸へと持っていく。





「触ってくりぇないの…?」




ほてった顔に、ウルウルの目で俺を見る。




相手は酔ってる!


酔ってるから正気じゃない!!




言い聞かせて顔を逸らす。




「本当に…やめろって…」





パタン……




また首に顔を埋める。





退かそうと背中に腕をまわすと……






ス−ス−ス−…



静かな寝息が聞こえた。



「……寝た…?」





上に乗っかってる状態なので、横にずらし顔を覗き込む。





スヤスヤと穏やかな顔をして寝ていた。




「…マジですか…」





あそこまで散々、人を誘っておいて…