地味子の秘密 其の壱 VS黒羽の大妖怪

会場に入った時も、男は必ず杏を見てたし、


さっきのおやじ達も口では心配そうにしてたけど、顔はニヤニヤしっぱなしだった。


…俺が遅かったら、喰われてただろうな。



華奢でありながら、似合わないほど豊満な胸。


本人は全く無頓着らしい。


普通、これだけスタイル抜群なら、自慢しそうだが杏にはそれがない。



普段は、制服で隠してあるし、俺も抱きしめたりしたあの集団宿泊の夜に気づいた。


学年一の美少女は松沢らしいが、杏も負けてないと思う。



“あたしなんか”ってのが癖だし…何とか変えさせてぇかも。




杏を見ると、額に汗が浮かんでいた。



俺は、浴室からタオルを持ってきて汗を拭く。



すると…少し目を開けた。

「杏?大丈夫か?」