「ありがと。」 お礼を言って笑う。 その時、視線を感じてビクッとする。 体が飛び上がったあたしを見て 「杏樹?」 と、柚莉が聞いてきた。 パッと周りを見るけど、感じた視線はもうなかった。 「ううん、なんでもないよ。」 顔を柚莉に戻し、眼鏡をかける。 さっきのは気のせいかな? そう思って特に気にしないことにした。