もう疲れたとか言って今日は早く帰ると思ってたのに…。



ちょっとガクッとしたあたしの心を読み取ったのか、

「遊ぶ体力は残ってまーす♪」



と笑って言った。



あたしは柚莉に手を引かれ買い物へと出かけた。



でもあたしの頭の中では、

『あるお方の命令』

奴が言っていたその言葉が引っ掛かって離れなかった。



そして…これがこれから起こる不思議な事件の始まりとは、あたしは少しも思っていなかった。