地味子の秘密 其の壱 VS黒羽の大妖怪

よかった…藍鬼を外に置いてきて

『…どうして私じゃないの?私の方がキレイで、何でも出来て…なのにあの男は別の女を選んだっ。』

ギロリと濁った目であたしを見る。

彼女は、恋人に裏切られて自殺した霊で数日前この部屋で、泣いていた。

その時は話しを聞いて、慰めたんだけど今じゃ怨霊になってる。


「早いとこ調伏しないと…ヤバイかも。」


あたしは呼吸を整え、手で印を組む。

「我のいる空間を閉じ込めよっ!」

鋭く言い放つとこの家庭科室を囲む結界がつくられた。


「これで外への被害はないよね。」


『なにっ!?』

あたしが結界を張ったことに気づき、怒りを向ける。


『なにする気?あなた私を止めないでね?…あの男と女に復讐するまで。』

ニヤリッと気持ち悪笑いながら女は言う。



「…やだね。」