あの後、私はどうやって家まで帰ったのか分からない。 家に帰ってさんざん泣いて、航太に慰めてもらった。 今までの私だったら、このままいつまでもさめざめと泣いて、失ったものを誰かが見つけてくれるのをじっと待っていたに違いない。 私はきっと、そうやって大切ななにかを、たくさんなくしてきたんだろう。 でも、ろくと出会い、大切なもの、大切なこと、色々教わったし、色々考えた。 だから諦めない。 ろくはきっとどこかで生きている。