この数分前。




といっても、長い脚から繰り出す歩数にして数十歩。


「ちょっと話しようよ。久しぶりに積もる話も出るだろし」と云って、相手の首根っこを掴み、抵抗虚しく引きずるようにライヴハウスの楽屋から裏口へと連れ出した。



とてもじゃないが言葉通りに話をするような雰囲気は微塵も感じられない。