その時の光景が今、敦士の脳裏にはまじまじと蘇ってきたのだ。 『黒いイカヅチ』と称されたのは、そのドラムプレイのせいだけではなかったということだ。 「なぁんで、オマエラ兄弟は揃いも揃ってこんなことすんの?」 怯えた敦士の目を見ることもなく、【エース】と呼ばれた男は深く肺に落とした紫煙を吐き出す。