臆病なサイモン









「ほんと、やめて欲しいんだよね」

キラッ。

グラウンドのライトに照らされたメガネのフレームが、生意気そうに光った。

真っ黒の髪の毛は真面目にスポ刈り。
ぺったん低い鼻に、細いフレームメガネ。

夏用カッターシャツは、一番上のボタンまできちんと閉じられている。


…んん?

発言とは裏腹。

ジャイアンじゃねえし。

見た目、超スネ夫だし。

他二人も似たようなホッソリガリガリタイプで、骨ダンスが似合いそうな感じ。

骨ダンスてなに?
なんて質問は受付けねーからなブラザー、いや、スチューデンツ。

って、バカ言ってる場合じゃねえ。

ダンゴの姿は見えないが、多分、話的に相手はダンゴで間違いない。

ダンゴは今、どんな顔してんだろ。



「…ったくさぁ、受験勉強でこっちピリピリしてんのに、アンタの頭悪そうな方言、聞いてるだけでイライラすんだよね」


こっちはお前にイライラしてんじゃーおボケ!

今すぐ飛び出してあの胸くそ悪いメガネを叩き落としたい。