臆病なサイモン








ジャスイだよな、って思いながら考えちまうことはやっぱ、ある。

ダンゴの行動を分析しちゃってる時なんかもう、「イカす刑事」になりきっちゃってるから、俺のシナプス。

そうして得た分析結果はそう大したもんはないんだけどさ。


帰る時間帯はまちまち。

俺と分かれた後も多分、遅くまでどこかで暇を潰してるだろう可能性。

時間稼ぎする理由。

―――「同居」がマジだとして、そこまでしなきゃならない理由ってナニ?

ただ居づらいってのもアリだけど、なんかそれだけじゃない予感。

他人に敏感なのは相変わらずです。
俺、キンパツコンプレックスのサイモン。よろしく。

なんて。




「…サイモン」

ビクッ。

いきなりダンゴが口を開いた。

教科書から上がったまっすぐな視線に、アタマん中、見透かされてる気分になる。



「…別に、無理に合わせなくていいよ」

無表情。

なに言う時も、この顔が八割。

口数少ない上にこればっかだから、ダンゴには相変わらずダチンコが居ない。

クラスメイトの女子は、相変わらず遠巻きで、ダンゴには滅多に近付かない。