臆病なサイモン








『―――似てないね』


…だめなとこばっかだ。


(俺はなにも悪くない好きでキンパツで産まれたんじゃない全部母さんが悪いんだなんで俺がこんな目に遭わなきゃなんないんだよ俺のキンパツのせいでなんで父さんが傷付かなきゃならないんだよ妹ばかりしあわせそうでムカつく親戚の噂の種になるのはもういやだなんで母さんはなにも言わないのなんで助けてくれないのなんで…父さんも母さんも大嫌いだ黒髪のやつらはみんな嫌いだ死んじゃえ)


知ってるやつ、知らないやつ。

みんな。


(…死んじゃえよ、)


ぐちゃぐちゃのめちゃくちゃの俺の中身。




―――だから、自分の体が誰かと接触するのを極端に畏れてた。

誰かに触れたらその相手に自分の全てが流れてしまうという概念に囚われていた。

今考えたら「ウケるー」の一言しかないけど。

でもそん時は本気だった。
マジで怖かった。
テレパシーがないなんて誰が証明したんだよ。


俺は怖かったんだ。


キッカケがなんなのかは解らねーけど、ただちょろっと触れ合うだけのその行為に、死に対する恐怖と同じようなものを感じてた。