臆病なサイモン







「…君、そういうタイプじゃないよね」

ねぇ、なにが言いたいの?

「話したからには、なにか伝えたかったんじゃないの?それともただ単に聞いて欲しかっただけ?」

聞いて貰って、なにを言って欲しかったの?


ガツーン。

やっぱ、辛辣。

真っ直ぐな視線はこっちを見ちゃいないけど、真横からぶち抜かれたような気分になった。


(なんか…さ、)

咥えてたチュッパを口から離して、俺は黙りこくった。

(そんな真面目に受け止めてもらっちゃうと、…困る)

純粋な想いで話したわけじゃないから、尚更。



「なにか伝えたかったっていうか、」

ただ、もしそれがダンゴなら、どうしただろう、って思ったりしながら。

ついでにダンゴが自分のことも喋ってくれたらラッキ、みたいな。

それだけだったんだけど。




「…俺にも、なんで話、したか、わかんねッス」


そんなマジになってくれるとは、思ってなかったから。




「…なんだソレ」


あ、ダンゴが笑ってる。

なんかそれ、ちょっと嬉しいかも。

普段、ケラケラ笑わない奴が笑うとなんか、イイナ。貴重。


あ、ガリガリくん、また垂れた。