臆病なサイモン








(…あいつ、ドコの高校受けるんだろ)

ダンゴはああ見えてバカだから、ホンダと同じ学校、てのは有り得ないんだろうけど。

多分、ホンダが受けるのは進学校だろうし。


―――ん?

オマエはどうすんだ、って?


(…どうしようかなぁ)


サイモン、十五歳、まだまだ悩み中。





「…コウコーセー、ね」


受験成功したら、俺らガキンチョは一気に大人の階段を登ることになる。

俺達男子には、女の子みたいにガラスの靴的アイテムがあるわけじゃないからイマイチ、ピンと来ない。




「大人」、ってなんなんだろ。

一番身近な「大人」は、母親と父親だけど、母親はなんか性別的なアレがアレでコウだから、問題外。



―――「父親」は。




(…今までの分、たくさん、色んなハナシ、してみたい、かも)


避けてばかりで、ダメ息子の背中ばかり見せてきちゃったけど。


(…今度は、ちゃんと面と向かって頑張らなきゃ、伝わらねえよな)


きっと今までわだかまりを解かすには、相当、時間が掛かっけど。



(…でも、)


―――ダンゴに、「進化」を認めてもらったからには、もう「退化」なんてできない。


気合いだ、サイモン。