臆病なサイモン









そんな自分にびっくりだけど、これは「アリ」だってのは解ってる。

なんか、今ならなにもかもうまくいくような気分だ。


サイッコー!




そんなダチンコ達の手を避けながら、俺の席の隣に居るダンゴに視線を向けた。


顔がニヤニヤしてるの自覚してるから、なんか気まずいんだけど、でも。




『―――おめでとう』


あの無表情な顔みたら、思い出しちゃって。


ぎゅう、て、心臓が鷲掴まれたあの感覚が、リフレイン。




「あ、」


だから思わず、パチッ、と目が合ったダンゴにはこっそりウィンクしちゃった。

…さすがにウィンクは返ってこない、と。


やべ、調子こいた。

寧ろ冷ややかな視線が投げ掛けられて、なんかめちゃくちゃ恥ずかしくなった。


ダンゴはいけずだ。




「…ごめん」


ほんとすみません。

なんて、反省してるけど、俺、こんな風に振る舞えるニンゲンだったんだ、なんて、ちょっと思ってんだ。

こんな素でハイテンションなの、ガキん頃以来かもしれない。




「…人が変わったようだね」

これは、席に着いた俺にコソッと囁かれた一言。


正しいツッコミです。