臆病なサイモン









まだ始まったばっかりなのに、なに欲張ってるの?

って。

ダンゴの毒舌エールは、俺をイチコロでぶちのめして、それからメラメラと後押ししてくれる。


ダンゴ、クール過ぎ。





…あと、それから、ふたつめ。

毎朝、鏡に映るどキンパツ野郎に挨拶できるようになった。

よぉ、キンパツサイモン、今日もノッテル?

てな。

毎朝、気に入りの音楽ガンガン流し込んで、学校に闘いに行くみたいなコンディションで。

だから、頑張れてる。


―――それは多分、学校に行けば、屋上に行けば、ダンゴが居てくれるから、って、臆病な俺が知っているからなんだけど。




「…俺、頑張って夏休み中にサナギになるわ」

だから実は、もうちょっとだけ、俺に気を許してくれたらナー、とか考えてたりする。


(…だって、)

俺は、ダンゴには相当気を許してる。

気がする、多分、いや、かなり。

今までの薄ぺらいダチンコ達に対するよそよそしい自分の感情や態度を考えたら、もう、相当。