臆病なサイモン










『人間に踏み潰されないように』―――。


そう、人間とヨウチュー。
ダチンコと、俺。

悲しくなるくらい不自然な関係。

ヨウチューだったらもう、脚とか生えてないじゃん。

いやもしかしたらあるのかもだけど。

多足類つうの?

知らねーよそんなの。

…全然、フラットじゃねぇ。


まだ未完成な「俺」。

未熟な「俺」。

まだまだこれからの人生には、色んな壁が待っていて、それをよじ登り越えていけるか自信のないひ弱な、「俺」。

ダチンコから、父親から、黒髪から、「キンパツのサイモン」を必死に守り続けて、逃げてきた「俺」。

きっと今のままじゃ、「俺」は、とうの昔に「人間」に脱皮したダチンコ達に踏み潰されちまうんだろうな。

それは薄々前から感付いてたことで、今まで俺がやってきたことを考えたら、別に不平等なことじゃない。

そうなって初めて、「フラット」な関係てやつになれるんだろ。

口で言ってる以上に、荒療治になりそだけど?