全く、あたしの家は息苦しい。

親ってなんであんなに鬱陶しいんだろ。
うちの親は特別鬱陶しいように感じて仕方ない。


あたしの眠りは浅い。
きっとこれも、うちの空気が薄いせいだ。



翌日もあたしは化粧と髪を丁寧にセットして家を出る。
朝食は食べない。


授業は退屈だけど気分は楽。
誰かと意味のない会話で時間を埋めなくていいから。

あたしは携帯を触って電話帳を開く。
昨日登録したばかりの番号。

“祐司”


話たい時かけてこいって、祐司は言ったけど。

今日はさすがにダメだよね。よほどきつくなった時、最後の手段にしよう。

あたしは携帯を閉じた。