†Orion†〜Nao's Story〜



年上の彼氏。

その相手にピッタリな服がひとつもないのだ。


もともとあたしは女の子らしい格好が好きじゃなくて、ジーンズやパンツスタイルばかり。

亜里沙に勧められて“とりあえず”買ったスカートが一着。

ワンピースにいたっては、存在そのものがない。



「あ! そうだ……」



ふと思い立って、あたしは自分の部屋を出ると、隣にあるさくらの部屋のドアをノックした。


あたしとは正反対で、スカートばかりを好むさくら。

背もあたしと同じくらいだから、きっといいスカートがあるに違いない。



「……絶対に汚さないでよ」


「うん、分かってる」