本当は。 出来ることなら、この細いからだをずっと。 俺の腕の中に留めておきた「いっ」 足の甲に走った激痛に、体を屈めた。 俺の腕から逃れた会長は振り向いてにやりと笑う。 「T大で待っててやるよ」 突然の言葉に声も出ない。……痛くて。 「待っててあげる」 そんなこと言わないで。 そんな嬉しいこと言われたら、決心が鈍るよ。 「ヒナちゃん。明日の帰り、時間ください」