そこまでする意味がわからなかった。

彼女はあたしの大切な初恋の気持ちをずたずたに切り裂いたの。

もう、耐えられなかった。


「もうイヤ!あたしに関わらないで!あたしの人生狂わせないでよっ!!」


それからうちの中学からはめったに行く人がいない高校を選んで進んだ。
ゼロからスタートするために。


だから、この学年にあたしのことを知ってた人はいない。

ゼロからスタートする。

それは、過去の記憶を自分だけに留めておいて、二度と思い出せないように。

誰もこんなあたしの醜い過去を知らない場所で、始めたかった。


逃げて来たの。


あたしは准から……過去から、逃げてきた。