あたしは立ってそこに座った。 もう心臓がドキドキしてる。 「半分冗談だったんだけどね」 「……目が、本気だった……気がしたから……」 「……半分、本気だったからね……」 どうすればいいのか分からない。 とにかく両手を膝の横に置いてうつむいていたら、温かいものにつつまれた。 「つ、翼くん……?」 翼くんの手。 大きな手のひらをあたしの手の上に乗せると、あたしの手は奇麗に隠された。 変わりに感じる体温、安心できる……。 「くんは……なしでしょ?」 言える気がした……。 「……翼……」