フゥーと息をついた本松が、


「ああするしかなかったんです」


 と言い、やがてゆっくりと大きく息を吐き出した。


 これで落ちたと思った堤が、


「ホシは警察内部の人間なんだな?」


 と問いただす。


「ええ。実は私、ある人から今回の撲殺事件に関して、頼まれたんです」


「ある人?頼まれた?」


「はい。凶器はその人間から手渡され、大伴さんを殴打しました」


「殺害後、凶器を東京湾に投げ込んだのはお前だろ?」


「ええ。ですが、私はあくまで実行犯で、黒幕は別にいます」


「それは例のピーズファイルを隠したがってる人間か?」


「……」