ドォンと響いて、パラパラと儚く散る花火の音。



強く抱きしめられ、微かにヒカルの汗のニオイ。それも心地いい。



「シャンプーの……イイニオイ。それに、意外と柔らかいね、アンタ」



「意外とってどういう意味?」



アタシはヒカルの横腹をギューっと抓った。



「イテテテテ!……だって、アンタガリガリなんだもん」



ヒカルがアタシの背中を大きな手で、ポンポン、と叩く。



確かに、女子にしてはアタシは丸みはない。太らない体質だし。



「ヒカルの変態。……んっ」



アタシの言葉を塞ぐヒカルの熱い唇。



蒸し暑い夜、重なる唇。



この時、アタシ達はキスに夢中で気付かなかったんだ。



部屋で電話が、ずっと鳴っていたことに……。