ヒカルは黙ってキッチンの方に行って、アタシに麦茶をくれた。



「言いたくないなら無理に言わないでもいいけど?」



そんなこと言ってるけど、ヒカルの穏やかな瞳は話してみれば?と言ってるように感じる。



その優しさに逆らうことの出来ないアタシは、ヒカルになんでも話してしまうのだ。



「……んー、気にする必要ないんじゃん?アンタはおおざっぱなふりして、実は繊細だしな」



ヒカルは最近、決まってアタシの頭を撫でる。



アタシはこのあったかくて、でっかい、ごつごつした手が好き。



この翡翠色の瞳も、分かりづらい優しさも、好き。



草原みたいな雰囲気も、優しい香水の香りも、好き。



ヒカルのことを……それはよくわかんね。