【完】ひとつ屋根の下で。

「なーんかさ、アンタってぬれ煎餅みたいな女だよな」



ヒカルがぽつりと一言、言ったとうより、こぼす。



「意味わかんないんだけど」



「や、女ってお菓子に例えたらケーキとかパフェみたいじゃん?甘くてキラキラしてる、みたいな」



それって、アタシが甘くてキラキラしてないって言いたいのか?マジうざ。



「悪かったな、じめじめババア女で」



「違うし。そうじゃなくて、ケーキやパフェは、食べすぎると気持ち悪くなるけど、ぬれせんは飽きない。クセになる。アンタみたいじゃん」



ヒカルの言葉と、穏やかな表情にドクンと心臓が動く。



ホント、ヒカルの言うことはいちいちわけ、わかんねーの。



関われば関わるほど、変な奴ってか、不思議な奴。考え方も、また然り。