【完】ひとつ屋根の下で。

ヒカルはソファーに腰掛けて、長い足をフローリングに投げると、またぬれせんに手を伸ばし、食べはじめる。



「んー、そろそろ補充しなきゃなくなりそう」



「アンタ、飽きないね」



アタシも隣に腰掛けて、ぬれせんを一袋手に取った。



袋を開け、食べると独特な、少しモチモチした食感。



そして、若干甘い醤油の濃厚な味が広がる。



「んまい。緑茶飲みたくなる」



「やっぱり苺、ババア」


「うっせ」



憎まれ口なんだけど、ヒカルの声は妙に落ち着く。



音に抑揚はあまりないけど、うーん……波長?上手く説明出来ないや。