【完】ひとつ屋根の下で。

ヒカルは相変わらず意味不明な本を隣で読んでいる。多分英語?だと思うが。



この男、最近知ったが、英語とドイツ語が出来るみたいだ。頭いいとか、ムカつく。



とにかく、同じソファーで、全く違うことをするアタシ達。



だけど別に、このままでいいやって思える、静かで優しい昼下がり。



その昼下がりは、突然雷鳴の如く壊されるのだ。



ガチャガチャガチャ、ドスドスドスドスドス、と背後から音が立つ。



「……ヒカルなんか人が入って来た気配がするぞ。強盗か?」



なんて言いながら、逃げも隠れもしないアタシは、我ながら肝が座ってる。



「あー……どうせあいつだろ?」



ヒカルもヒカルで、顔色ひとつ変えないで言い放ち、本に目線を戻した。