【完】ひとつ屋根の下で。

気になったことは聞きたくなる性分のアタシ。まだ咳き込むヒカルに訪ねる。



「で?なんでそんな綺麗な色なわけ?やっぱり宝石埋め込んだ?」



「アホ。俺の生みの母親が外国人なんだよ」



あ、そっか。顔立ちも日本人独特ののっぺり感ないし。ハーフね、納得。



“生みの”ってのが気になったけど、多分離婚して父親が再婚したとかだろう。



あえて聞くことでもないか。アタシだって両親いないんだし、両方揃ってないことは当たり前のことじゃない。



「んー……なんか腹減った」



ヒカルがちゃぶ台の上の空のカップ麺を見つめる。



確かにこれだけじゃ晩飯と言うには少ないだろう。



「苺、アンタは腹減らないの?」



「アタシは食欲より睡眠欲が強いタイプ」



「あー、アンタぬぼーっとしてるからな」



ぬぼーってどんな表現だよ。意味わかんね。