「すわん、がん……なんじゃあこりゃあ?」



「スワンガンツカテーテル。心臓手術の時に電気を流す機器で……」



あー、言われても分からん。



ってか、ヒカルは頭が良いのか。ただのセックス狂いだと思ってたけど。



「俺、将来医者目指してんの。最も、第一志望は外科じゃなくて麻酔科」



「フーン。難しいことはアタシにはさっぱり」



ヒカルの医学書読んでたら頭痛くなったので、アタシも冷蔵庫から麦茶を出す。



「あ、ついでにビール」



ヒカルがボソッと呟いたからアタシはビールの缶を取り出した。


あれ……なでアタシがヒカルの使いっぱしりになってんだか。抜け目ないな、こいつ。