【完】ひとつ屋根の下で。

翌朝、アタシが部屋から出ると、ヒカルはソファーで課題をしていた。



最近、夜に一人でも寝れるようになったからこその、良い習慣。



「おはよ」



いつものように、抑揚のない声で挨拶してくれる。なにげない、変わらない日常。



こんな当たり前な日常を、アタシは愛してる。



「食パン、ジャム?バター?」



「んー、バター」



アタシが単語で質問すると、単語で返すその無愛想なとこも、愛してる。



隣に座ると、感じる優しい体温も、愛してる。



細まる翡翠色のその綺麗な宝石の瞳も、愛してる。



ヒカル……アンタのゼーンブを、アタシは愛してるよ。



だから、もう決めた。揺るがない。