【完】ひとつ屋根の下で。




家に帰り着くと、今日もヒカルは島本さんのとこにいるみたい。



部屋が暗い。アタシは、この空間に、たった一人。



「ヒカル、ヒカルにはもうアタシの愛は要らないのかも、な?」



そう、ヒカルを救ったのはアタシがヒカルを愛する心だ。



だけど、前に進むヒカルには、『家族』という愛の対象が生まれた。



それなら、アタシがヒカルに出来ることって、もうないんじゃないかな。



アタシにも、守りたい『家族』があるんじゃないのかな。



ヒカルのこと、おじさんの話を聞いてアタシは一晩中考えた。



今まで考えなかったけど、アタシには血の繋がった家族もいる。



そして、18年間過ごした、血の繋がらない家族も。