【完】ひとつ屋根の下で。

アタシの両親ばかりでなく、この人もアタシをちゃんと愛してくれてる。



ヒカルから感じる愛とは違う、溢れる、優しい気持ち。



「ありがとう。その言葉だけで、アタシは、嬉しいよ」



アタシの言葉に、武安おじさんは遂に泣き出した。



「ったく、いい大人が汚いよ、おじさん。ばーか」



おじさんの涙は、温かい。



「18年も放っておいて、厚かましいかもしれないけど、おじさんを父親だと思ってくれていい。なんでも言ってくれ」



「ハイ。貴方は血の繋がった大切な家族だから。……最近、アタシも家族を大切にしようって思えるようになったから」



アタシの言葉に、顔を上げて嬉しそうに目尻にシワを寄せたおじさん。



「苺ちゃん!おじさん泣いたら腹減ったよ。飯がんまいな!」



この人も、きっと愛情表現が下手くそなんだ。



だからこそ、ストレートに伝わったよ。