【完】ひとつ屋根の下で。

「だからまさか、その次の日に死んじゃうなんて……本当、びっくりだよな」



おじさんは言葉を詰まらせ、一度お茶を飲み干した。



「俺、本当は二人が死んだ後苺ちゃんを引き取ろうとしたんだよ」



それは知らなかった。定期的に手紙のやり取りはしていたが、そんな話は聞いたことない。



「だけどさ、その武光の最後の言葉がずっと頭を巡ってて。美しい場所で君が育つことを願って、あの孤児院に君を託したんだ」



そうだったんだ。アタシはてっきり、親戚に見放され、孤児院に捨てられたものだと思っていた。



「でも、18年ぶりに君を見た時、この手で愛情を注ぐべきだったと後悔した。苺ちゃんの瞳は、孤独の色に染まってると感じたから」



涙ぐむおじさんを見て、アタシは充分におじさんからの愛が伝わった。