【完】ひとつ屋根の下で。

会社に行っても、仕事なんか集中出来なくて、今日は冴えてない。



お昼休みに、ついに武安おじさんに、アタシは呼び止められた。



「苺ちゃん、おじさんと少し話そうか」



「あ、ハイ」



ヤッベ。流石に怒られるな。



なんて身構えてたんだが、二人で一緒に近くの定食屋に行って、アタシはから揚げ定食、おじさんは鯖の塩焼き定食を頼んでいる。いつの間にか。



「この店はシオサバがさあ、堪んなく美味いんだよー」



おじさんは、少年のように瞳を輝かせ、マイ箸を取り出した。



アタシはお店の割り箸を割り、から揚げにかぶりつく。



かりっとしただし味の外側と、柔らかくジューシーな中身がマッチして旨い。