「ゴメン、仕事の都合もあるし、ちょっとだけ考えさして」
《そうかぁ。いちごにも、生活があるからなー。無理に来なくても大丈夫さぁ。じゃあなぁ》
要一兄の、力の抜ける電話が切れ、アタシも通話を止めた。
沖縄に帰る……か。
アタシは、武安おじさんに雇ってもらっている身だし、何よりヒカルがいる。
断るべきなんだろうけど、保留にしてしまったのは、他人とはいえ私を『家族』として育ててくれたおばぁへの恩があるから。
それに、アタシがいなければヒカルの足枷が無くなるって思えるから。
だったら……いや、アタシが躊躇う理由なんて単純だろ。
アタシは臆病者だから、ヒカルの優しさを、すぐには手放せない。
《そうかぁ。いちごにも、生活があるからなー。無理に来なくても大丈夫さぁ。じゃあなぁ》
要一兄の、力の抜ける電話が切れ、アタシも通話を止めた。
沖縄に帰る……か。
アタシは、武安おじさんに雇ってもらっている身だし、何よりヒカルがいる。
断るべきなんだろうけど、保留にしてしまったのは、他人とはいえ私を『家族』として育ててくれたおばぁへの恩があるから。
それに、アタシがいなければヒカルの足枷が無くなるって思えるから。
だったら……いや、アタシが躊躇う理由なんて単純だろ。
アタシは臆病者だから、ヒカルの優しさを、すぐには手放せない。



