【完】ひとつ屋根の下で。

「まあ早期発見だから、死ぬことはないよ。へーき」



「だけど……ヒカル」



せっかく、せっかく仲良くなった、家族に近づけた、ヒカルと島本さん。



病気になってしまったんなら、本当は、支えてあげたいんじゃないの?



「島本さんと、一緒に戦ってあげなくていいのか?」



「んー、一緒にいてあげたいのは山々だけど、でも、俺にはアンタとの生活がある。それは、変えたくない。このままがいい。これまでそうだった通りに」



なあ、もしかして、アタシの存在が、ヒカルの決意を鈍らせてるのか?



もし、本当にそうなら、アタシは嫌だ。そんなの、絶対に。



アタシにはヒカルのことが手に取るように分かるわけじゃないけど、アタシだって一緒にいたいけど、違うじゃん。