いつものように仕事が終わり、アタシはのろくさ、と、家に帰る。



「ただいまー……ん、あれ、ヒカルいないじゃん」



家の中は真っ黒。ヒカルの無駄にでっかいスニーカーはない。



いつもは、ちゃんとアタシに用事を言っていくのだが、珍しいな。



まあいいや。どうせ言い忘れたんだろ。



アイツ、性格雑だし、大学なんて、急に飲み会あったりもするか。



アタシは、晩御飯も食べるのが面倒で、所定の場所であるソファーに身を投げた。



「ぐあー、キツイ」



アタシが、ぐうん、と背伸びをしていると、ケータイが鳴り響く。



ディスプレイを見ると、着信はヒカルからだった。



きっと、出先で連絡するのを思い出したというとこだろうな。