【完】ひとつ屋根の下で。

なんつうか、こう思うんだ。



アタシとヒカルの魂は、どっかの遠い空から来て、一度は、散り散りに別れて、いつか出会える明日を追い求めた。



だから、こうやって、人として再び巡り会ったのかな……なんてね。



我ながら、似合わないくらいメルヘンな発想。



「俺の一人で戦った長い時間はきっと、アンタと巡り会うため。そんな気がするよ」



ヒカルの言葉が、心っていうカラカラのスポンジを浸す水みたい。



「余計な物は何も要らないから、ずっと傍にいてよ、苺」



アタシはヒカルの言葉には、答えず黙ってもたれ掛かった。



きっと、言葉を並べてもアタシの気持ちは伝わらない、と思ったから。