【完】ひとつ屋根の下で。

ヒカルは、アタシの頭をぽんぽんと撫でた。



「まあ、あれだ。アンタの愛をいただけた有り難い第一号が、俺、なんじゃん?」



そんなこと言って、木漏れ日みたいにクスクス笑ってるヒカルが、やけに綺麗。



「バーカ。アンタってよくもまあ、そんなことぬけぬけと言えるよね」



「一応、喜んでもらえる言葉を言ったつもりだけど」



見つめ合う先に、優しい翡翠色の瞳がある。



初めてヒカルと出会った日は、もっと濁った目の色だったのにな。



「アタシさあ、ヒカルの瞳の中に埋まりたい。ぴゅーんって飛び込みたいな」



アタシが呟くと、ヒカルはキョトンとし、微かに頬を緩めた。



優しい顔だけど、どんな感情なのかは、アタシにはわかんねー。