「んー、アタシは両親が死んでからは、ってか、生まれてほとんどの時間を、沖縄の小さな孤児院で10人くらいの奴らと静かに過ごしてたよ」



「フーン。そのわりに、アンタ標準語綺麗だよね」



ヒカルは本を閉じて、相変わらずアタシには目線を向けずリモコンに手を伸ばす。



「恋愛はしてた?」



「まあ……ぼちぼち。付き合っては別れ、今じゃ好きだったかも不思議」



自分で話してて、アタシの人生は軽いものだったのだと再認識。



ヒカルは辛い想いを沢山していたのに、アタシと来たら。



同じ人間なのに、こうも違う人生。



ヒカルは、重たく辛い人生。方やアタシは、軽くて、わりと幸せな人生。