【完】ひとつ屋根の下で。

島本さんはそれを了承のサインと見て、墓に花束を活ける始めた。



「ヒカル、アタシ、ここからバスで帰るよ」



アタシには、島本さんの話を聞く権利なんかないと思い、そう告げる。



「貴方もいてください。貴方が輝さんにとって大事な人であれば尚、聞いて頂きたい」



帰ろうとするアタシを止めたのは、ヒカルじゃなくて島本さんだった。



「さあ、行きましょう」



がりがりで小さな島本さんが歩く後を、追い掛けるアタシとヒカル。



この人は一体、どんな話をするつもりなのだろうか?



その不安は多分、アタシよりヒカルが強いはず。



だからアタシは、堂々としていなきゃ、ダメだ。



誰よりも、図太くいなきゃ、ダメだ。