【完】ひとつ屋根の下で。

アタシは瞼をギュッと閉じて、そーっと唇をくっつけてすぐ離した。



「……何?今のがキス?ただの皮膚接触じゃん」



「そんなこと言ったって」



キスなんか、アタシからしたことないもん。



「ホント、不器用だね」



「分かってるよ。うっせー奴」



アタシがむくれると、ヒカルばププっと噴き出した。



「でも、アンタなりに愛をくれようとしてるのは、分かってるから」



ヒカルは目を細め、アタシの額と自分の額をゴッツンとぶつけた。


それだけでほら、またあったかい。