【完】ひとつ屋根の下で。

「俺、親父の墓参りに行こうと思うんだけど」



「フーン……って、は!?」



あまりにも何でもないように言うもんだから、アタシも、簡単に聞き流してしまいそうになったが、そういう訳にはいかない。



「ブハっ!アンタ、なんつう反応だよ、それ」



「だって、アンタ!親父さんの墓っていえば、あれだろ?ほらー」



義母さんも、一緒なんじゃねえのかよ?



「まあ、一人では怖い。だから、アンタも一緒に」



さも当たり前のように、ヒカルはそう言って手を重ねた。



「まあ、いいけど?仕方ないね」



こういう時、どう返事すれば可愛いのか、全然わかんねー。



ってか、生まれてこのかた、可愛いことなんか、言えたことないし。