そっと、優しく俺は苺にキスを落とす。



キスしながら、お互いの瞳を見つめ合った。



蒸し暑い夏、俺は孤独で、そして最低なくらい嘘つき。



傷付けるかも、なんて言っといてこの状況を嫌がってない。



苺の、身に纏ってるものに手をかけたとき、微かに震えた細い体。



心の何処かで怖がってるんだ。



だけど、俺の背中に回る手は強く優しい。



苺の体温を感じる度に、じわんと心に温かさが広がる。



苺の反応を感じる度に、じわんと心に優しさが広がる。



……不思議だ。今まで他の女を抱いていたときに感じた恐怖や嫌悪が感じられない。



苺という特別な存在に、恐怖が、俺の闇が、じんわり、溶かされていく。



それは、出会ったことのない、甘美な、優しい魔法。