【完】ひとつ屋根の下で。





「ヒカル、アタシを抱け」



その瞳が真っ直ぐ過ぎて、俺は返す言葉を失った。



そんな俺に苺は、独特な低めの声で話し始めた。



「アタシはさ、こういう話を聞いても、何て声をかけていいのか、どうしていいかわかんねー。だけどさ、話聞いてるときに色々考えて、思ったんだ」



「何を、思った?」



怖いけど、苺の、特別な人の言葉を、俺は受け止めなければ、いけない。


「アンタに愛を与えたいって。それだけ」



苺は更に続ける。



「アタシは、アンタを愛してる。そう気付いたんだ。でもそれが、恋愛感情かって言われると、それはよくわかんねー。けど、アタシはアンタに愛を与える手段、これしか思い浮かばないから」



淡々とした口調。だけど言葉の節々には温かい何かが溢れてる。